インプラントをお考えの方へ
インプラント治療は、歯を失った部位に対して行う補綴治療法の一つです。その方法は、欠損箇所に人工の歯根を埋め込み、顎骨と結着させた後で人工歯冠を被せるというものです。
人工歯根には主にチタンが用いられますが、その理由は、人間の骨とチタンが結合する現象(オッセオインテグレーション)が認められたことによります。
インプラント治療には多くのメリットがあり、欠損歯を補う治療方法としては、現在もっとも優れたバランスを持つものとされています。
失われた歯根を人口の歯根で代用するので、食事の時の噛み心地に違和感がありませんし、ブリッジと違って隣り合う歯を削らなくて済みます。もちろん人工歯冠は、隣り合う歯と色調を合わせることができるので、審美的にも美しい仕上がりが期待できます。
また、その強度は天然歯の80%とされ、十分な咀嚼能率があります。
ただし、糖尿病がコントロールできていない場合や骨粗鬆症の患者さんには、インプラントの適用が難しくなります。
一般的なインプラント治療の流れ
1精密検査と治療計画の確認
口腔内の状態や骨格、現在の噛み合わせなどを仔細に調べます。
そのうえで実際の施術等を検討し、治療方針を決めます。
2一次手術
歯茎を切開して顎骨を削り、土台となるインプラントを埋入します。
3定着期間
インプラントと骨とがしっかりと結合するまで、3~6ヶ月の期間が必要となります。
4二次手術
インプラントが定着したら埋没しているインプラントの頭部分を露出させ、アパッチメント(人工歯の連結装置)を装着します。※症例により二次手術はしない場合もあります。
5人工歯装着
歯茎が完全に治った時点で、歯の型取りを行い、人工歯を作成し、インプラントに装着します。
■当院では、インプラントは業界大手で信頼性の高いストローマン、ノーベルバイオケア社のものを症例により選択しております。
■オペ(手術)については、非常勤の専門医が担当いたします。
インプラントに適する人
- 入れ歯を何回変えても合わない人
- 人前に出る機会が多く、見た目のほかに発声も気にされる人
- 噛み締める機会が多いスポーツ選手など
- ある程度の治療期間と費用を許容できる人
- 定期的なメンテナンスができる人
インプラントに適さない人
- 重度の歯周病がある
- 欠損したまま長い間放置していた場合
- 糖尿病、骨粗鬆症等の全身疾患がある人
- 顎骨の量が少ない人(骨移植で対応できる場合もある)
入れ歯とブリッジはどうちがうの?
ブリッジ
欠損箇所の両側の歯を削って土台をつくり、橋渡しするようにして人工歯を装着する方法です。
基本的に保険内で処置できるので、比較的安価に治療できます。また咀嚼能率も天然派の約60%であり、見た目の違和感もさほどありません。
反面、「両サイドの健康な歯を削らなくてはならない」「保険内の処置では変色しない材料が使えない」「ブリッジした歯の下部に食べかすが溜まりやすい」といったデメリットがあります。
義歯(入れ歯)
義歯とは、いわゆる「入れ歯」のことです。欠損歯に対する補綴治療として用いるメリットには、「糖尿病などの全身疾患があっても適応」「噛み合わせが不安定な場合でも治療可能」「比較的安価(保険内)である」などがあります。
その反面で、「治療にやや時間がかかる」「慣れるまでに違和感がある」「外れたりずれたりすることがある」といったデメリットもあります。
ただし、義歯にも保険内で適用のものと自費診療があり、自費であれば機能性、審美性、耐久性などで優れたものが多くあります。
主なもの
金属床の義歯 | 義歯の一部を生体親和性の高い金属(チタン、コバルトクロムその他)でつくり、薄く丈夫に仕上げたもの。 金属アレルギーがある場合は用いることができない。 |
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ノンクラスプデンチャー | 弾力性がある義歯で、金属のバネを使わずに固定する。 見た目がよく装着時の違和感も少ない。 |
マグネット式義歯 | 義歯側にマグネットが付いていて、歯の根の上においた金属と吸着させるタイプ。 |